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九十三年 上 (1) (潮文庫 赤 1A)

九十三年 上 (1) (潮文庫 赤 1A)

文庫
ヴィクトル・マリ・ユゴー
潮出版社
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平均評価:評価:5.0
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「九十三年 上 (1) (潮文庫 赤 1A)」購入者のレビュー・評価

  1993年パリコミューンを具象的に描く(評価:評価:5
1892年8月に蜂起したパリコミューンの話です。作者のビクトルユーゴーは渦中のパリコミューンの議員であり国民軍を指揮して、ドイツ軍とドイツに降伏したフランス正規軍と、激烈な信念と勇気とでもって対峙しました。パリコミューンは共産主義運動と見られがちですが、フランスのナショナリズムと王国擁護思想との中で事態は複雑です。なかなか日本人には理解しにくいところではないでしょうか。パリコミューン自体は大仏次郎の名著「パリ燃ゆ1-6」(朝日文庫)を読むといいと思います。

怪物老貴族ラントナック伯爵をフランスのナショナリズムの具象として、理想を追い求め、最後は信念に殉じる青年、ゴーヴァン、シムールダンをパリコミューンの具象として描いてみせます。日本人には解り難いパリコミューンを感覚的に理解させるとてもよい教材と思いますが、当のパリコミューン自体を多少とも知ってはいないと、訳のわからないオカルトがかった長くて飽きの来る活劇でしかなくなる懸念もあります。
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  極限状態における人間性の輝き(評価:評価:5
『レ・ミゼラブル』を読んだ事がないという無教養な私ですが、この書は永遠の愛読書となっております。

舞台は革命後の混乱するフランスです。革命派、王党派それぞれ「正義」の名の下に壮絶な戦いを繰り広げ、その中で理想を追い求め、最後は信念に殉じていく青年、ゴーヴァン、シムールダン、冷徹な軍人でありながら、「無辜の子供」の為に、命を投げ出す行為に出る老貴族ラントナック伯爵を軸にストーリーは展開していきます。

「革命」や「反革命」の対立軸の元に「人間自身」が手段化され、犠牲になっていく社会の中で、(ある意味、今の時代もそうかも知れません。)永久に変わらない普遍的な価値「生命の尊厳」を謳いあげた本作は、不滅の名作と言えるでしょう。

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