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本(和書) > 夢に迷う脳――夜ごと心はどこへ行く? のレビュー・価格情報

夢に迷う脳――夜ごと心はどこへ行く?

夢に迷う脳――夜ごと心はどこへ行く?

単行本(ソフトカバー)
J・アラン・ホブソン
朝日出版社
価格:¥ 2,415
平均評価:評価:5.0
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「夢に迷う脳――夜ごと心はどこへ行く?」購入者のレビュー・評価

  夢は健常な精神疾患(評価:評価:4
本書は、人間のすべての精神活動(夢や精神異常も含めて)は脳という実体の生理学的働きとしてとらえるべきであるという、科学的立場を貫いた精神疾患に関する研究の現状レポートである。夢にフロイトの精神分析のような神秘主義的解釈を勝手に付与することなく、夢の様相を捉えることにより、精神疾患に関する知見を得ようとする立場である。著者は臨床の精神科医でもあるので、科学的知見に基づいて患者の負担を出来るだけ少なくする「人道的科学主義」の治療を推進することを提唱している。

本書は部分部分ではなかないいことが書いてあるのだが、その全体構成はあまりすっきりせず、建て増しを繰り返した建築のような感じがする。また、比喩的に物理に言及したところがいくつかあったが、間違いだらけである。
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  複雑系の心のケアは、各人なりに睡眠をとること(評価:評価:5
精神病治療を目的として、夢を研究。分析派が解釈対象とする夢の〈内容〉ではなく、夢見中の〈認知形式〉を機能検査し、それと精神錯乱者に見られる形式との一致を確認。夢を見ている人と精神錯乱者の心脳状態に、質的違いはなく、同一だと断定しています。そこから心と意識と脳の新たなパラダイムを提案しています。

従来の人文学は、心と脳を分けて考えてきました。著者は、両者を1実体と見て「心脳」と名づけ、1ユニットとして扱っています。更にこの心脳が、動く場として、○脳内で起きている電気活動の総量の多少、○脳が処理する情報が、外界あるいは内界からもたらされるのか、○覚醒時のアミン作動系あるいは睡眠時のコリン作動系どちらが優位の制御系であるか、などの3つの変数軸からなる空間モデルを設定。人の心脳は、この空間内を時間に沿って連続して移動。その心脳の位置で、覚醒・睡眠・夢見の状態、また健常状態・精神疾患状態などが特定されます。この3つの変数は、それぞれが、物理・化学的な検査が可能で、精神病治療の根拠にも使えると考えられるそうです。

さらに「心」「意識」概念も刷新。○脳内情報の全てが、心。○意識は、この情報を部分的に脳が自覚すること。脳のどこかに局在しておらず、それは、脳と共に生まれ、生き死ぬもので、脳の化学的物理的な変化に応じて変化する。○また旧来の無意識概念を捨て、アクセスできない脳内情報を「非意識」と総括。無意識と夢との神話的結びつきも否定。不思議な夢の構成や内容は、内界の記憶だけで話を作れるレム催眠時の特性と考えています。

提案は革新的です。しかし、壊せないテレビの内側を、外からその形式面だけ推断していく志向は、カント風で伝統的です。治療法も、新奇ではありません。心脳には、自己治癒力があり、睡眠が究極の治療薬。患者が手におえない時のみ、薬を使って、精神状態を制御するのがよいという穏当な処方です。

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  驚いた!(評価:評価:5
 夢が精神的やまいとは。
しかし、夢もかってなもので、自分で都合よく完結していたりする。
そのような夢はなんなのか。そして。忘れたものを思い出すときもある。
夢は便利なときもあり、また恐ろしい夢なら見ないほうが良かったなんて思ったりする。
 わたしはわたしの心と体が別物になっているということで驚き。
 また、こうゆう研究者がいるということに脱帽。
 ぜひ一読推薦します。


この評価・レビューへの支持:投票総数 9件中 3票の支持
 
  夢を見るのが楽しみになる(評価:評価:5
分厚い本を久しぶりに読み通した。
夢は潜在的な欲望が表れるものだと今でも信じ込んでいたがこれがいかに馬鹿馬鹿しい学説であるか「目の醒める」思いがした。
著者は私より高齢だが、考え方は非常に柔軟で、出てくるエピソードも驚きと発見に満ちて若々しい。
個人的に認知症が気に懸かる年齢になってきたが、彼のような研究が実を結んで病因が解明されることを願いたい。
この著者が夢を扱うとこんな風に料理されるのか。
今夜から夢を見るのが楽しみになった。
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