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日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方

日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方

ハードカバー
リチャード・クー
徳間書店
価格:¥ 1,785
平均評価:評価:4.0
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「日本経済を襲う二つの波―サブプライム危機とグローバリゼーションの行方」購入者のレビュー・評価

  このまま財政出動が続くことの不安(評価:評価:4
さまざまなエコノミストがバブル崩壊後の日本経済の分析を行っているが、クー氏が著した全ての本を読み、講演会にも行くほどの彼のファンということもあり、私の知る限り彼の分析が一番私のお気に入りだ。自分にとって一番説得力があると感じるということ。

ここでバブル崩壊のプロセスを彼の著書から引用してみると下記のようになる。

○バブル崩壊直後は、誰しも資産の下落は一時的なものと判断。
○企業・個人の所有資産価格の暴落に直面すると、バランスシート修復のため、債務圧縮に走る。
○マクロのレベルで債務圧縮(借金返済及び銀行等の不良債権処理)が進むとこれによって更に資産価格の暴落や内需の落ち込みを加速させ「合成の誤謬」が発生。
○民間資金需要が不足し、中央銀行の金融緩和策が無力化。
○政府は、民間需要不足を、財源又は借金で固定資産投資することで埋め合わせし、経済成長を維持し、社会的混乱を防止。
○更に金融機関に公的資金を注入して、不良債権処理のための引当資金を提供。
○資産価格の下落が落ち付き、企業・個人の借金が減少あるいは債権者の潤沢な引当資金が準備される。⇒今の日本はこの状態で、バブル崩壊後のバランスシート不況から脱出しつつある段階。
○企業・個人が再度、借金して投資に向かう。
この状態になって初めて、国の借金返済・公的資金の回収が始まる。

小泉元首相も小さい政府を標榜しながら、国債発行30兆円枠を守れなかったことからしても、実質的に財政出動によって景気を下支えしていたことになる。無意識とはいえ、言う事(国民に宣伝していること)とやっている事は違っていたということではないだろうか?

さて、本書では、クー氏が現状のサブプライムローンに端を発する世界経済に暗雲をもたらしている状況について、日本のバブル崩壊にともなうバランスシート不況の状況が世界に蔓延したというのは、至極納得できる論である。

しかしながら、私が彼の本を読んでいつも感じるのは、彼の言う「陽」の状態が今後世界経済に本当に訪れるのだろうかという不安である。

このまま陰の状態が続き、国をはじめとした公的機関の借金は塩漬け状態になり、持つもの(国債・公債保有者)が、持たざるもの(国債・公債非保有者)から金利を享受するという階級の固定化が始まりつつあるのではないか。そしてそのまま資本主義社会は衰退の方向に向かうのではないか?

前著『「陰」と「陽」の経済学』の「陽」の経済学への転換の可能性・実現性について、今後のクー氏の著作を期待したい。

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  本をちゃんと読んでから投稿しよう!(評価:評価:4
まともに本を読んでもいないのに投稿してる輩がいかに多いかこの本でよくわかりました。
クー氏が言っているのはバランスシート不況下で金を使えるのは行政だけだと言ってるんです。金の流れを言ってるんです。箱物行政とかを推奨している訳ではないのです。
この評価・レビューへの支持:投票総数 1件中 1票の支持
 
  食いつきやすく引き込まれた。(評価:評価:5
2000年末のITバブル崩壊の打開策として、グリーンスパンFRB議長の金融政策が住宅バブルを生み出し、その流れの中で、サブプライム問題が発生した。

p34 アメリカは、ITバブルを住宅バブルに置き換えたわけだが、そのことは住宅バブルという、今にして思えばもっと恐ろしい“怪獣”を生むことになってしまった。

p171 (FRB議長)バーナンキは自身の面子(メンツ)にかけてでもドル安で米国を回復させたいのである。

リチャード・クー氏の解説で、ドル安がアメリカ経済と世界市場に及ぼす影響を理解することができた。
アメリカ経済の失速が鮮明になって、日本の企業は中国への市場拡大を余儀なくされている。
このサブプライムローンに端を発した同時世界不況後の視野に立てば、企業内の語学研修を、中国語に力を入れているのが分かる。
政治家たちの動きよりも、経済界は生き残りをかけて、一歩も二歩も先を動き出しているのかも知れない。

p276 日本にとってのグローバリゼーションとは「中国の台頭」のこと

21世紀の日本経済を読み解く、優れた1冊である。
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  机上の空論ではない(評価:評価:5
私は経済学部や商学部の出身ではありませんので、皆さんのような経済理論は知りません。
ただ、過去の日本や世界の歴史を調べ、バブルの頃、実際に不動産に携わってきた人間からみると、マスコミに出てくる「学者先生」が一番わかっていないなぁ、と思います。
クー氏はニューヨーク連銀でアルゼンチンのデフォルトの処理をされていたとのことですが、やはり、机の上で数字を弄ぶ事しかできない「学者先生」とは違います。
会社経営者で株、為替の取引を大手証券会社と狐と狸の化かしあいで、実際に取引している大切な友人が、
「橋本首相の経済政策の大失敗を、当時からきちんと言っていたのはクー氏だけだ。いまだに日本人の大半はそんなことさえ知らない。」と言っています。
一昨年、昨年と実際にその友人は「サブプライムでえらいことになる。ドルとユーロは暴落するぞ。」と言っていましたが(当時は私も信じていませんでした。)、
友人にこの本を読ませたところ、「さすがだ。」と言っていました。
今になって「私は以前からこうなると言っていた。」という経済評論家や経済学者がわらわらと出てきたのは、爆笑してしまいます。
私が学んだ(とても学者とは思えない海千山千の)教授が言っていました。
「学者の言うことが一番あてにならん。」(笑)

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  ページ数がもったいない。読むべきところは第2章まで!(評価:評価:2
この本がなぜこんなに売れているのだろう。

確かに、第一章の「サブプライム問題は戦後最悪の金融危機」と第二章の「住宅バブル崩壊のアメリカはバランスシート不況」はそれなりにうまく書けているし、説得的である。勉強になるところも多い。但し、日経新聞の解説を超えるような内容でもない。

しかし、第三章の「ドル危機に世界はどう対処すべきか」や、第四章の「日本はバランスシート不況を克服できたか」、および第五章の「日本に襲いかかるグローバライゼーションの大波」の部分は、新鮮味がなく付け足しのように感じた。従来、著者が述べてきたことの焼き直しに過ぎない。ページ数を稼ぐための書きなぐりのような印象さえもった。

これなら、本の分量を前半だけの半分にして、値段も半分の800円程度で売り出すのが良識的だろう。

「サブプライム問題、ドル危機、食料資源の高騰など今世界が直面している危機は、従来の経済学ではまったく対応できない!」等とぎょうぎょうしく宣伝しているのもいかがなものか。

バブルの生成とその崩壊、スタグフレーション等の問題は、従来の経済学を応用することで十分に理解できるし、対応可能だ。

また、バランスシート、すなわち資産価格や純資産の変動が経済を不安定にし易いことは経済学の常識であるし、リチャード・クー氏の独自の見解でもない。

ところで、現在の日本と世界経済の主たる問題を、筆者がスタグフレーションと必ずしもとらえていない点は理解しがたい。

しかし、筆者が日本経済や国際金融市場の安定と発展を願い、研究していることは事実であろう。

今後の活躍に期待したい。






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